あなたのキスで世界は変わる
しゅん…と、わざとらしく彼女にとっては普通なのかもだけど、背中を丸めて歩き出す。
なんなの、この娘…
…おもしろすぎ…。
「ちょっと!」
「え?」
「別に行ってやってもいいけど」
上から目線の言葉は恥ずかしさを誤魔化すためだけど、私みたいなやつが私の周りにいたら絶対うざい。
ぱあっと明るくなった表情。
メガネの奥の瞳が輝き出した。
「はいっ!ぜひ行きましょ!!」
「…声デカ」
「あ!ごめんなさいっ!」
私が持っていない天真爛漫な笑顔と素直なとこ。
彼女に惹かれたのはそんなとこかもしれない。