あなたのキスで世界は変わる
キス11*泣き虫なお姫さま
カーテンの隙間から月の光が少しだけ射し込んでいるだけの暗い部屋。
そうだったね。
私達の世界はいつだってこんな感じだった。
暗くて、ふたりっきりで
それがとても悲しい世界だったね。
ーーーーーー…
ーーー…
『あ!待てよ!!』
その場を去る小川を追いかけて行く東城を山中と木村が更に追いかけて行った。
俺も追いかけようとした。
小川が泣いてたような気がしたから…
でも…
『待って!行かないで…っ』
『仁美…?ごめん……離してくれ……』
追いかけようとした俺の腕を掴んで止めた彼女の手を俺は冷たく引き離した。
俺はもうお前が一番じゃないんだ。
大切にしたい子が
幸せにしたい女の子ができたんだよ。