あなたのキスで世界は変わる


「可奈子!!」


血相を変えてやって来たのはお父さんと由紀子さんだった。


…由紀子さんは入院でもしてるかと思ってた。


警察から連絡が行くのは当たり前なんだろうけど、やっぱり会いたくなかった。


「おとうさ…っ」


ーーパンッ!

私の呼びかけを遮ったのはお父さんの平手打ちだった。


ジンジン痛んで痺れる頬に触れても、触れてる感じがしなくて。


これが痛いって感覚で、不覚にも生きてる感じがした。


先輩の時は生きてる感覚を奪われていた暴力が、私に生きてることを教えてくれる。

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