あなたのキスで世界は変わる
皮肉だな…
「可奈子ちゃん… 」
か細い声で私を呼ぶ由紀子さんにイラッとしながら「ごめんなさい…」と、一言だけ。
その後はお父さんが警察と話をつけて、私たちは家に帰った。
帰りの車内はとてつもなく気まずくて、私は明るくなって来ていた外の眺めを見つめていた。
「ただいま…」
約三ヶ月ぶりの小川家の家。
そのまま会話もせずに二階へ上がると自分の部屋に入った。
久しぶりの部屋はなにも変わっていなかった。
でも綺麗にしてある…
由紀子さんが掃除してくれたのかもしれない。