あなたのキスで世界は変わる


私の洋服を畳む由紀子さんを想像したら、なんとも言えないものが胸につっかえて苦しくなる。


「お姉ちゃん…起きてる?」

「真未…」


ドアを遠慮がちに開けて顔を出したのは妹の真未だった。


私を見ると途端に笑顔になって「おかえり」そう言って扉の外に消えた。


なんなの…

おかえりって…


なんなの、みんな。

お父さんだけ?私を怒るの。


いや、お父さんも私をビンタしただけだったけど。なんかないの?


今までどこにいたとか、

今まで誰といたとか、


私に今すぐでも問い詰めなきゃいけないことなんて沢山あるじゃん。

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