あなたのキスで世界は変わる
しばらくして由紀子さんは諦めたのか一言だけ。
『ごめんね、可奈子ちゃん…』
そう言い残して、遠ざかる足音がした。
相当ひねくれてるのは、自分でも分かってる。
でも、やっぱり私は誰かの一番になりたいだけなのに。
誰にもその想いは届かないんだって思い知らされる。
ーーコンッ…。
窓ガラスに何かが当たった音がした。
この音を私は知ってる。
閉めていたカーテンを開ける。
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