あなたのキスで世界は変わる
先生は消したいのかな。
私と過ごした日々。
私といた時間。
少しの間でも通じた想いも。すべて。
無かったことにしようとしてる?
あれは幻だったの?
「小川」
「………ん?」
変な間が空いてしまった。
できるだけいつも通りの表情で返事したつもり。
でも、佑夜の顔は微妙だった。
「どうしたらいい?」
「え?」
「どうしたら小川の中のアイツに勝てんの?」
手を絡めるように強く握る佑夜の手から不安や動揺を感じた。
…ダメだ。
私は佑夜と付き合ってんだ。
彼だけを見なきゃ。
「大丈夫。佑夜がそばに居れば、それだけで私はいい」