乙女桜〜誠の武士〜
ドンッ………。
「おぃ、待たんかぁそこの坊主。
この俺様にぶつかっておいて、
詫びの一つもないったぁ、
どーゆぅ了見じゃあボケ。」
「………お前ら、長州か。」
長州ばかりを狙う人斬りの噂を
聞いていたのか、男達は咄嗟に
刀を抜いて陽凪に向けた。
「ーっ!?……てめぇ、例の人斬りか」
「…くすっ。そんなに有名なんだ。
まぁいいけど。
ねぇ、吉田って奴知らない?」
「………っ、し、しらねぇよ!」
「………ふーん。
でも、嘘はいけないなぁ…ニヤ」
ドスッ………
ぐぁぁぁぁああああっ!!!!
私は男の心臓を一突きし、
息の根を止めた。
「………た、たすけてくれ。
俺たちは本当に何にもしらねぇ…
み、見逃してくれぇ…たの…ぐはっ」
………見逃してくれ?
ふっ。ふざけてんじゃねーよ。
陽凪の周りの地面は奴等の血で、
真っ赤に染められていた。