弱小バスケ部の奇跡
しばしの沈黙のあと、先生が口を開いた。
「決まったことは変えようがありません! 悩むよりも、残された時間を笑って過ごした方がいいと思いませんか?」
その言葉に、全員が顔を上げた。
「最後まで、笑って最高の思い出をつくりませんか?」
先生の大きめな声から、その思いが伝わってくる。
次の瞬間、クラスのリーダー的存在の男子が立ち上がった。
「先生の言う通り、悩んだってしゃーないじゃん。この先中学離れても、俺らはずっと3年1組の仲間だ。最後まで、俺らにできることしようぜ!」
すると次々と周りの男子が立ち上がった。
「おう! こいつの言う通りだ」
「4ヶ月だって、できることはたくさんあんだろ!」
やがてクラスの男子全員が立ち上がった。
あたしは、蒼乃、和香、美凪、未希と目が合った。
そして、決心したように頷き、立ち上がる。
クラスの女子も全員立ち上がった。
「最後までバカ笑いすんぞーーッッ!!」
「「「「オォーーーッッッ!!!」」」」
運動会でもなんでもないのに、あたし達は声を張り上げて叫んだ。
全員が、握った拳を突き上げて。