弱小バスケ部の奇跡





う、そ………



あたしは、自分の左手をまじまじと見る。




「ナイスカット棗!」


未希がボールを拾い上げて苦笑する。




「ほんとはカットされないように頑張ったつもりだったんだけど……棗は上手い」


「っ、未希…」





上手いんじゃないよ。


未希があたしに、魔法の言葉をくれたから。



その通りにやったらこんなにもすんなり、自分でもびっくりするくらいにできた。




「じゃ、次は左に行かせてみて」



未希は軽くドリブルをつきながら位置につく 。



「うん、オッケー」




あたしは小走りで未希のもとへ行った。



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