弱小バスケ部の奇跡
和香は案の定、頬を膨らませて言う。
「今のは違う! 今はちょっと、背伸びしたくなって…」
あまりにもわかりやすすぎる和香の言い訳に、あたしは思わず笑う。
「あーはいはい、言い訳どーも」
「だから違うもん!!!」
和香がマジな目でそう言い続けるから、あたしはもう、笑いっぱなし。
「集合!」
「ほら、集合だって」
美凪の声に、あたしはついにふてくされた和香に呼びかける。
「……もーう! 次は絶対負けないからね!」
あたしを指差し、ビシッと言い放った和香は、小走りで美凪のもとへ行った。