君だけの星へ
わたしの言葉に、桐生さんが怪訝に思ったことを隠そうともしないで眉を寄せる。

そんな彼を見上げたまま、わたしは再び口を開いた。



「家庭教師の担当の先生、変えてもらえませんか?」

「……は……?」

「先生を変えるのが無理なら、家庭教師自体やめ──」

「おい」



わたしの言葉をさえぎって、桐生さんが声を出す。

その声音と表情は、明らかにイラついていて。



「なに? どういうこと?」

「……そのままの、意味です。担当を変えてくださ……」

「わかんねぇ? 俺は、“なんで”変えたいのかって訊いてるんだけど」



普段よりも強く冷たいその口調に、わたしは思わず息を飲んだ。

だけどぐっと、ベッドについた手を握りしめ、負けじとその瞳を見返す。
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