僕と再婚して下さい。
わざわざ傘を買うなんてもったいないし。

雨がやむまで立ち読みでもしよう。

そう思った時だった──。


『オレの傘使って』


背後から声がして振り向くと、洋介が立っていた。


『……』

『外の傘立てにオレの傘置いてあるから』


あたしは、驚いていた。

夢を見ているようだった。

店の中にはあたしと洋介と2人だけだった。

緊張で何も言えないでいると、洋介は外に出て傘を持ってきてくれた。


『どうぞ』


あたしに傘を渡したその時。

お客さんが入ってきた。


『いらっしゃいませー』


洋介はレジへと戻って行った。
< 144 / 394 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop