僕と再婚して下さい。
あたしが看てもらった産婦人科は、二度とも同じ場所だった。

まさか、受付の人がお母さんと知り合いだったとは。

洋介の話からすると、その人はあたしのことも知っていた。

仕事中というより、流産という事情が事情だけに声をかけにくかったのかもしれない。


「洋介はいつ流産したこと聞かされたの?」

「舞と再会した日。舞が仕事から帰って来る前に聞いたんだよ。お母さんが離婚の原因は、流産したこともしれないって」

「そうだったんだ」

「そこでお母さんに言われたよ」

「何を?」

「『復縁を望んでいるなら、この先また同じ目に合うことがあったら、一緒に受け止めて上げて欲しい』ってね」

「お母さんが……」


そんなことを言っていたなんて。


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