片恋

「え、人を引き返させといて、それ!?」

「あー、明日ヒマ?」

「暇だけど!!

そんなとってつけたように言っても
ごまかせないからっ」

「ははははー。」

ふと、視線を感じて横を見ると

ケラケラ笑う亮介の周りで
やりとりを見守っていた男の子達と、目が合った。


「みんな、亮介の友達?
この子、めんどくさい子だけど
そんなに悪い子じゃないから、仲良くしてあげてね。」


亮介への嫌がらせで、
冗談めかしてニッコリと笑いかけたら、

いきなりぺしっと
うしろから頭をはたかれた。

「いたっ」

「いちいち言う事が、
オバチャンくさいんだよ。」

「叩くことないでしょー!!」


頭を抑えたまま亮介をにらむと

周りにいた子達は、目を丸くしている。


「・・・亮介お前、
よく篠崎(シノザキ)さんを
ぶったりできるなー・・・」

「でしょう?
年上に向かって、これはないよね。」


どさくさに紛れて
お友達に話しかけたのに、

その子は途端に、
曖昧な微笑みを浮かべて
口をつぐんでしまった。

周りの子たちも同じような顔で、
目配せしあっている。

――わ、ちょっと馴れ馴れしかったかも。

気まずく視線を泳がせていると、
しっしっ、と亮介が手を振った。


「あー、もういーよ、
用、済んだから。
ばいばい。」

「ちょ・・・、え、済んだの!?
なんだったのよ、もう・・・っ」

追い払うみたいに手を振る亮介に向かって
怒ったように言い返しながら、

内心ほっとして、その場を離れた。


――みんなまともそうな、いい子達だったな。

・・・明らかに、亮介の方が浮いてたけど・・・。


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