天使みたいな死神に、恋をした

「鎌のタトゥーみたいなアザが首の後ろにある女なんて、女なんて、女なんて…………」


 うぅ……悲しすぎるし。



「だいじょうぶ!」

 あんたの大丈夫が一番あてにならないんだけど、今はそれがありがたく感じるよ。



「俺が責任取るから!」

「またそれ」

「ほんとに! 本気で。例えお前が死神でもいいよ!」

「やめてよ縁起でもない! よどうせならかわいらしく天使にしとい欲しかったよ」


 天使? 死神? なんだか……

 なんかそれ……




「懐かしい気がするそれ」

「天使と死神が?」

「そう」

「あれじゃね? お前が昏睡状態の間にもしかして会ってたのかもよ」

「そうかなぁ。でも何も覚えてないしなぁ。てか、勘弁してよ。何怖いこと言ってんの」

「だよな。万が一そんなのに会ってたら、そしたらここにいないもんな」

「そうだよ。ここにいれないよ」

「あんまり気にすんなよ」

「……今度さぁ、万が一浮気でもしたら……」

「しねーし」

「万が一だって。そのときは私死神になってこの首の鎌でシュパってやっちゃうかもよ」

「…………やめてよそれ、本気で怖いよ」


 弱弱しいけど、優しくもある。それが私の彼氏だ。


「冗談だよ冗談」


 頼りないし、すぐ泣くし、すぐ怖がる。

 でも、優しい。

 どんなことがあっても、優しいのが一番だ。

< 260 / 262 >

この作品をシェア

pagetop