葉桜~late spring days
約束
Haruka side
それは、なんてことない、いつもと同じ部活の帰り、のはずだった。
その日は合奏でうまく吹けなくて、ぼこぼこに凹んで、練習が終わった。
放心状態だったらしく、奏太に軽く頭をはたかれて、周りの状況に気がついた。
「とりあえず、楽器後にして、譜面と椅子ぐらい片付けろ。みんなが帰れないだろうが」
「ごめん。ぼーっとしてた」
とりあえず、楽器を部屋の端の机に置いて、譜面と椅子を片づけた。ミーティングは特に連絡事項もなく、あっさり終わった。明日が休みでよかった。みんなさっさと帰りたいので、さっさと終わってくれた。
とりあえず、楽器を片づけなければ帰れない。精神的に凹んでいると、いつも遅い片付けが、さらにどうしようもなく遅くなってしまう。
「まあ、そんなに落ち込むなよ。休んでまた、来週練習して挽回すりゃいいじゃん。帰ろう帰ろう。駅まで一緒に行こうぜ。」
奏太は優しい。
同じクラリネットパートで同じ学年、並んだ時も隣同士。クラスは一緒になったことはないけれども、何かと仲良くしてくれる、気楽な仲間だ。
そう、ただの、気楽な友だち。
その日は合奏でうまく吹けなくて、ぼこぼこに凹んで、練習が終わった。
放心状態だったらしく、奏太に軽く頭をはたかれて、周りの状況に気がついた。
「とりあえず、楽器後にして、譜面と椅子ぐらい片付けろ。みんなが帰れないだろうが」
「ごめん。ぼーっとしてた」
とりあえず、楽器を部屋の端の机に置いて、譜面と椅子を片づけた。ミーティングは特に連絡事項もなく、あっさり終わった。明日が休みでよかった。みんなさっさと帰りたいので、さっさと終わってくれた。
とりあえず、楽器を片づけなければ帰れない。精神的に凹んでいると、いつも遅い片付けが、さらにどうしようもなく遅くなってしまう。
「まあ、そんなに落ち込むなよ。休んでまた、来週練習して挽回すりゃいいじゃん。帰ろう帰ろう。駅まで一緒に行こうぜ。」
奏太は優しい。
同じクラリネットパートで同じ学年、並んだ時も隣同士。クラスは一緒になったことはないけれども、何かと仲良くしてくれる、気楽な仲間だ。
そう、ただの、気楽な友だち。
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