葉桜~late spring days
「山田は彼氏とかいるの?」
「いや、いないって聞いてる。」
「だったらさ、違うって分かっているんだったら、違う、拓人じゃないって気持ちにきちんとケリをつけりゃいいんじゃねーの?」
「どうやって?」
「拓人のところに行ってくれば。4月だから、拓人のことをいつもより思い出すからこそ、踏み出せないんじゃねーの」
分かっている。そうかもしれない。でも、こんな重たいこと切りだされたら、と思うと踏み出せなかった。死んだ親友と似ているなんて重たい話聞かされたら、きっと引いてしまうだろう。でも、好きという感情は変わりなくある。嫌われるぐらいなら、言わずにそっとしまっておきたい。
でも、そんなことできるだろうか。そんなことしている間に、晴香は誰かを好きになって、そんな誰かと付き合ってなんてことになったとしたらどうだろう。そんな現実がもし起きたら耐えられるだろうか。
はっきり分かる。きっと無理だ。きっとそいつに嫌がらせなり、一発殴るなり、僕は何かをしでかすだろう。
その日は、翌日晴香の顔をまともに見れるか、まともに話せるか自信がないほど落ち込んだ。
このままだとずっと、同じところで足踏みしてしまう自分が、いやになるほどよく分かっていた。
「いや、いないって聞いてる。」
「だったらさ、違うって分かっているんだったら、違う、拓人じゃないって気持ちにきちんとケリをつけりゃいいんじゃねーの?」
「どうやって?」
「拓人のところに行ってくれば。4月だから、拓人のことをいつもより思い出すからこそ、踏み出せないんじゃねーの」
分かっている。そうかもしれない。でも、こんな重たいこと切りだされたら、と思うと踏み出せなかった。死んだ親友と似ているなんて重たい話聞かされたら、きっと引いてしまうだろう。でも、好きという感情は変わりなくある。嫌われるぐらいなら、言わずにそっとしまっておきたい。
でも、そんなことできるだろうか。そんなことしている間に、晴香は誰かを好きになって、そんな誰かと付き合ってなんてことになったとしたらどうだろう。そんな現実がもし起きたら耐えられるだろうか。
はっきり分かる。きっと無理だ。きっとそいつに嫌がらせなり、一発殴るなり、僕は何かをしでかすだろう。
その日は、翌日晴香の顔をまともに見れるか、まともに話せるか自信がないほど落ち込んだ。
このままだとずっと、同じところで足踏みしてしまう自分が、いやになるほどよく分かっていた。