黄昏に香る音色
「今日は、団体で、常連のお客さんが、来るから」

恵子の言葉通り、

7時ちょうどになると、扉が開き、ゾロゾロとお客が、入ってくる。

恵子のいらっしゃいませが、合図となる。

ステージ上で、武田がカウントをとり、原田のピアノが、転がり始めた。

曲は何と、意表をつく…ビートルズのキャントバイミーラブ。

ピアノトリオで聴く、ビートルズもいい。

いきなり、お客から歓声がわく。

演奏は、そのままの勢いで、次の曲…A列車でいこうに、なだれ込む。

お客の興奮とは違う…

興奮と緊張が、明日香を包んでいた。

もうすぐ、明日香の出番だ。
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