黄昏に香る音色
夕陽が沈み出すと、練習も終わる。

練習を終えるゆうが、こちらを見たような気がしたけど……

気のせい……。

離れている為、表情がわからない。

視力がもっとよかったら、あいつの顔がよく見えるのに。

ゆうが練習を終える時、あたしが…渡り廊下から降りる時でもあった。

数ヶ月、そんな繰り返しの毎日で、

ゆうと挨拶をかわせるようになったのは、奇跡かもしれない。

奇跡……。

そんな些細な奇跡が起こったから、

あたしは、それ以上の奇跡を望んでしまう。


それ以上の奇跡って……。

体育館と南館を結ぶ渡り廊下を、グラウンドとは逆に降りると、正門に続く一本道のすぐそばに出る。

あとは、その道をまっすぐ帰るだけ…。


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