黄昏に香る音色
美形は、紗理奈を見つめながら、

「牧村」

一言だけ告げると、

そのまま、店から消えていった。

なぜ、

今日初めて会ったのに、

なぜ、

休みの日に、会うことにしたのか…。

紗理奈にも、分からなかった。

(営業なら、引っ張るべきだったかしら?)


だけど、紗理奈は待てなかった。

今すぐにでも、聴いてみたくなったのだ。

母親の歌を。

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