ヒミツの恋【短編集】

階段

それから何週間か過ぎたある日の事だった。




割り当てられた階段の掃除をしていた私に、箒を持った裕美が近付いて来た。





『まどか、私見ちゃった…。それでわかっちゃった。』





ふふっと笑う裕美に何の事かわからなくて首を傾げた。





『まどか、好きな人…出来たでしょ?』






ドッキーン





心臓が跳ね上がる。







「なななな何の事!?」







持ってる箒で同じ所を何度も掃いてしまう。






『まどか…中川の事すきでしょう?今日二人が廊下で話してる所見ちゃったんだ。』






とうとう知られちゃった。





でも裕美と真由美にはいつか話そうって思ってたし、今がその時なのかもしれない。





そう思って口を開いた。





「実はね…」
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