ヒミツの恋【短編集】
あ、あ、頭っ!!
頭ポンってされた!!





どうしようっ!!めちゃくちゃ嬉しいっ!!







『高橋と中川って仲いいの?中川が人と話すの見たの初めてかも…』





驚いた顔して言う小林君に私はアハハと曖昧に濁す。




そして教室へ戻ろうと歩き始めてまたすぐに躓いた。





ガシっ






『…セーフ…ホント高橋ってよくコケるね…見てて飽きないよ。』





私を支えながら言う小林君。






「ご、ごめん…」





離れて歩き出す私。






見てて飽きない…か…





要はおもしろがってるだけなんだよね、きっと…





そりゃ何もない所でしょっちゅうコケてればそうなるか…






けど、中川君は違う…






心配だって…






そう言ってくれた。






私の事心配してくれた…






その事が死ぬほど嬉しくて…






心配でもいいから、中川君が気にかけてくれるなら、痛くても転ぶのが嫌じゃなくなったんだ…
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