ヒミツの恋【短編集】
「…渉は座っててね?今返却された本片付けてくるから。」





立ち上がり本をもって、元の場所へと戻しに行く。





『手伝うよ。ひとりだと全部片付ける頃にはもう外も真っ暗になっちゃうだろ?』





そうして、重たそうな本ばかりを手に持って片付けてくれる渉。






「ありがとう…」






お礼を言う私にまた、目を細めて笑いながら、





『真由美も、ご褒美くれるよね?』





そう言うんだ…







明るい色に染めた渉の髪が夕日に透けていっそうキラキラと輝いて見えて、私も目を細めて渉を見つめた。
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