ヒミツの恋【短編集】

出会い

渉を見たのは入学して間もなくだった。





その頃から、明るいの髪の色で、整った顔立ちの渉はとても目立っていた。




校則違反の髪の色に着崩した制服。ユルユルのネクタイ。




他の人が同じ恰好をしてもだらし無く見えるのに、渉がすればそうは見えない。彼の全てがお洒落に見えて、同級生の男子も渉の真似をして制服を着崩してた。



その時は単に憧れでしかなかった渉。





その渉と初めて話したのは2年になって、クジで決められた図書委員になったのが始まりだった…





図書委員の仕事は昼休みか放課後に図書室で本の貸し借りを受け付ける面倒な仕事だった。





特に放課後はみんなバイトやデートだったりとで、残りたがらなくて、半ば押し付けられるように任された放課後担当…






最初は嫌で仕方なかったのに、偶然こうして渉と出会えたお陰で最高の放課後になったんだ…
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