ヒミツの恋【短編集】
そんな私の耳に届いた渉の声…





『あげちゃったんだ…ネクタイ…』







思わず顔をあげて見てしまう。





少し迷惑そうに女子の群れから距離を取ろうと早歩きになる姿。






『は?誰によっ!どうしてあげちゃったの?』







尚も食らいつく先輩の姿。





『好きな子にあげたんだよ。文句ある?』





固まる先輩達。そしてため息をついて渉は続ける。





『だから…いい加減付き纏わないでくれる?…俺の恋路の応援してよ。』






固まったままの先輩達を残して歩きだした渉を、そこにいる人全員が見つめていた…
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