SWEET HOLIC《1》~イケメン専務の甘い独占欲~
「…そうですか…」



会話が続かない…

断るつもりで来たのに…目を合わせると優しく微笑む那子さん。

断る機会を狙ってるのになかなか…切り出せない。



「…藤堂さんは…お父様の会社の子会社に勤務されているとか…」



「元々…父の会社を継ぐ意思はなかったので…弁護士をしておりました。勉強のつもりで今は…父の会社の子会社に出向しております」



那子さんはストローを軽く噛み、アイスコーヒーを上品に吸い上げる。



「…私…昨日からこのホテルに泊まっていまして…部屋にルームサービスを用意しています。二人でゆっくりと食事しながらお話しませんか?」



「部屋…ですか?」



いきなり…ホテルの部屋とはーーー・・・



「何か問題、ありますか?」



「部屋と言うのは…些か…場違いな気がしますが…」



「…藤堂さんは何か疚しいキモチがあるんですか?」


「疚しいキモチはないですけど…」


< 173 / 237 >

この作品をシェア

pagetop