SWEET HOLIC《1》~イケメン専務の甘い独占欲~
* * *


「いらしゃい!!」


威勢のいい奏多の声が店に響く。



「あ…蘭莉か…」


「…こんばんは。頑張ってるね…奏多」


「頑張ってるよ…引っ越しは無事に終わったのか?」



「うん」


「隣の男性は?」



「克己のお友達の白石結生さん」



「よろしく…克己のお勧めでラーメン食べに来ました…」



「今日は透いてるからどこでも座って…」



今夜は珍しく…店内はお客様ひとり。



そのお客様はいちばん奥の椅子に座って、隠れるようにラーメンを啜っていた。

でも、一瞬…結生さんの声にビクッと肩を震わせた。


男性だと思うけど…オシャレな黒の千鳥格子のカンカン帽子を深く被り、サングラスを着けているから…全く顔が見えなかった。


< 179 / 237 >

この作品をシェア

pagetop