あの加藤とあの課長
「なんか…金曜日から敏ちゃんには驚かされっぱなしです…。」

「そうか?」



土日で全快した生渕さんは、しょうが焼き定食のしょうが焼きを頬張りながら首を傾げた。



「助けに来てくれたとき、なんだか口調とかすごく男らしくて…。」

「へぇ…、珍しいな…。」



生渕さんも驚いたように目を少しだけ見開いていた。



「ですよねぇ…。どうしちゃったのかと思って…。」



敏ちゃんってキレたら「キーーーっ!」ってなりそうなイメージだもん。

本当不思議だった。



「今回の繋がりもびっくりしましたし…。」

「まぁ、ああいう生き方してたらいろいろあるんだろ。」

「そうですよね…。」



オカマだもんなぁ…。周りの目だって優しくなかっただろうし…。

今でこそそれなりに認められつつあるけれど、昔はそうはいかなかっただろうし。



「さてと、戻るぞ、加藤。早く食え。」

「あ、はい。」



昼休みと言えど、会社だからと公私混同を許さない生渕さん。

やっぱり、こういう生渕さんはかっこいい。
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