あの加藤とあの課長
「呑んだらしいな。」



そう言われた瞬間、日本酒とカルピスサワーを思い出した。



「…頭痛いです。」

「二日酔いか。」



馬鹿だなー、私。弱いくせに注意もろくにしないで。

そういえば、晋ちゃんは大丈夫だったろうか。


女性社員が晋ちゃんを連れ出してたような気がするから、たぶん途中で抜ける口実にでも使われたんだろう。



「……煙草。」



ポツリと呟くと、頬杖をついて私を眺めていた課長が不思議そうに首を傾げた。



「臭いか?」



ゆっくりと首を振ると、「吸いたい」と返しておいた。

そんな私に驚いた様子の課長。



「どこで吸えばいいですか…。」

「灰皿ならここにある。」



そう言うから起き上がって鞄を探すと、すぐ側に置いてあった。

鞄から煙草とライターを取り出すと、布団の中に戻る。



「…あ、ここで吸っても平気ですか?」

「あぁ。」



そう答えながら、不思議なものでも見るように私を見る。


細くて、軽くて、いい香りの煙草。

滅多に吸わないけれど、ストレスが溜まったときとか二日酔いのときには欠かせない。



「意外だな。」



ベッドにうつ伏せになり、肘を立てながら煙を吐き出す私に課長が言った。



「よく言われます。」

「普段から…じゃないよな?」

「時々です。」



この箱ももう3ヶ月くらいもってるんじゃないだろうか。

まだ2本残ってる。
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