あの加藤とあの課長

帰ってくるから

書き入れ時の１つである成人式が終わり、入学式や入社式の春まで一段落のこの頃。

ついに、１月が終わろうとしていた。



「陽萌ー！！ やだー！」



珍しく酔ったらしい晋ちゃんが必死に私を抱き締めていた。

只今送別会です。


金曜日の今日を終えたら、明日は最後の１日。明後日の日曜には大阪に行く。



「晋ちゃんー！」



抱きついてくる晋ちゃんを必死に抱き締め返す私も、それなりに酔っているらしい。

そんな私たちを苦笑しながら見守る源と増田ちゃんと敏ちゃん。


営業部スーツ課限定のはずなのに、なぜか乗り込んできた敏ちゃん。

受け入れられてるからすごいんだけど。



「晋ちゃんー遊びに来てねー！」

「陽萌も浮気しちゃダメだよー！」



しっかり二次会にも参加して、皆との別れを惜しんだ。



「加藤、絶対戻ってくるんだぞ！」

「加藤ー頑張れよー！」



下心がスケルトンな先輩ばかりだけど、何だかんだ好きだったりする。

だからこそなおさらに寂しくて。


思わず抱きつきそうになった私を止めた源はわりと必死に見えた。
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