守ってくれますか?
「さぁ?それはどうかしら。」

不敵にママは微笑む。


「無駄です。命をおとしたいのですか?」

ゼロは変わらぬ口調で言う。



「おとしてもいいわ。守れるのならね。」

「愚かですね。」

「そうかしら?私はそうは思わないわ。」

「愚かです。あなたの行動は無駄なのですから。」



ゼロは言い・・・

ママに向けて、剣を放った。





「「ママッ!!!」」

幼い私とヒカルの叫び。



パパは・・・ぐっと唇を噛み締め、ボートを前へと進ませた。


「パパ!?ママが・・・」

幼い私の、涙声の叫び。



ママがキィン!と、小刀で剣を打ち返す。


ゼロがボートを追いかける。



ママはフワリと浮かんだ。


「「ママ!?」」




「ごめん、どうか、幸せになって・・・」


ママの声は・・・かすれていた。



だけどママは・・・・・・ゼロへと、向かって行った。


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