守ってくれますか?
レイン様は、私には笑いかけてさえもくれない。
レイン様が唯一笑いかけたのは、ヒカリだけ。


私は・・・・・

レイン様にとっては、ただの使い勝手のいい手下。
ただ、それだけ。

他の感情なんてない。


わかってるわよ、それくらい。

哀しいくらい、わかってる。


・・・でも・・・・・・


憎いの。

憎んだって、どうにもならないってわかっているのに、憎いの。

どうしようもないくらい、ヒカリが憎い。


あぁ・・・・・愚かな私。

恋をしたって無駄な人を、好きになってしまって。

どうしようもなくなってしまって。


なんて愚かで、馬鹿なんだろう・・・・・









「あぁっ!!!!!!!」

突如、ゼロが叫んだ。



レイン様が鋭くゼロを見た。


・・・・・な・・・に?





「わ・・・わたし・・・・・は・・・・・」


ゼロの瞳がカッと見開かれる。

初めて聞く、ゼロの、震えた声。




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