守ってくれますか?
これまでの話の中で、レインのヒカルへの興味は出てこなかった。

怪訝に思っていると、ヨナがムッとしたように俺を睨みつけた。


「本当のことよ。レイン様のことを1番見ているのは、紛れもなく私よ。それは、絶対保障できる。」


うん。それは、俺もわかる。

「だが・・・・・」

「ヒカルは、有能だからよ。」

「は?」

「だから、ヒカルは有能だから、知りたいと思っていたの。」


ヨナがイライラと言った。


「ヒカルって、有能なのか?」

「あれ?ヒカルの戦いぶりとか、見てない?すごく効率的よ。2つの超能力を上手く使ってる。」


俺は、ヒカルの戦いを思い返してみた。


・・・確かに。

最初の役人達には、先手必勝でさっさと意思を操縦してしまったし、ハレスとの戦いでは、情報をしっかり掴んでいた。


「・・・ヒカルって、すごかったんだな。」

「言われて気付くなんて、ナオもまだまだね。」

「うるさい。」

「ハイハイ。ともかく、ヒカルは有能だから、その頭脳に興味があるのよ。レイン様は。」


なるほど。


「だから、2人いればなんとかなると?」

「たぶんね。1つ言える事があるとすれば、私じゃ絶対に無理だってことよ。それは認めるわ。私では、絶対的に無理。」

「なぜ、決め付ける?」

「私も、闇に溺れているから。」


ヨナは、低い声で呟いた。






< 453 / 598 >

この作品をシェア

pagetop