守ってくれますか?
「漆黒の神は皆、なんらかの闇に溺れている。溺れているからこそ、人々を憎んでいるからこそ、非情になれる。」

そう言うと、ヨナは真っ直ぐに俺を見た。
鋭い光が瞳に宿っている。

「闇に溺れている者が、希望を与えられると思う?同じ者を、救えると思う?答えは“無理”よ。しかも“絶対”にね。」

皮肉な、自嘲気な笑みが浮かぶ。

「私には、救えない。レイン様を救えるのは、希望がある者のみ。ヒカリとヒカル限定なのよ。」

吐き捨てるように言う。



・・・・・・・・そうか。

「漆黒の神が冷酷非情なのは、そういう理由からか。」

俺は静かに呟いた。
そう言うことしか、できなかったんだ。


「憎んでいるからこそ、できるの。私達はたぶん・・・狂ってるんだよ。」

ヨナのその呟きは、儚く、自嘲気で・・・切ない響きを含んでいた。




――その“狂い”を、正しに行ったんだよ。ヒカリとヒカルは。




憎しみの呪縛は・・・解けるのか?


そして、レインの呪縛が解けた時――


この国は、どうなるのだろう?



襲うのは、喜びであってほしい。

いや、喜びでなければならない。

そうじゃなければ、クーデターを起こした意味が無い。


そして・・・・・

他の漆黒の神のメンバーの呪縛も、解けて欲しい。




―――頑張れよ。成し遂げろよ。ヒカリ、ヒカル。





―ナオside end―
< 454 / 598 >

この作品をシェア

pagetop