守ってくれますか?
嫌な汗が頬を伝う。

ドクンッ
ドクンッ
ドクンッ

心臓の音が加速する。


ワタシハ――

ワタシハ――

ワタシハ――――――




「ヒカリ、変な事思い出してんじゃねぇ。」

その声に、私は顔を上げる。

ヒカルが、真っ直ぐに私を見ていた。

黄金の瞳は、静かに光を宿している。
確かな光を。

「お前が、動揺してどうすんだよ?俺らは、ちゃんと愛されてただろ?」


ヒカル・・・気付いたんだ。

私の不安に。


ぎゅぅっ・・・


私の手をヒカルの手が握りこむ。

10年前とは違う、大きな手。
でも、優しい温もりは、10年前と変わらない。


「俺らは愛されてた。そんなの、俺ら自身が誰よりも知ってるだろ?今更、こんなとこで、不安になるんじゃねぇっ!!!」

「・・・・・ッ・・・」

「信じろよ。今までの自分を。父さんと母さんを。そうじゃなきゃ、救えるわけがねぇ。希望なんて、与えらんねぇよ。」

「・・・・・・・・うん・・・。そうだよね・・・。私、バカだね・・・・・」


信じることさえ、できないなんて。

今更ここで、動揺するなんて。



「・・・もう大丈夫。ありがとう、ヒカル。希望を与えに、踏み出そうか。」

私は、ヒカルに微笑みかけた。




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