守ってくれますか?
「意思疎通能力を使った・・・とか?」

「まさか。こんなことに能力使うかよ。」


『こんなこと』とはムカつくけど、確かに能力を使うほどのことじゃない。

ヒカルも、そこらへんの常識ぐらいは持ってる。


じゃあ、どうして?

どうしてわかったっていうのよ?


「ヒカリ、俺をなめんなよ?俺はヒカリの双子の片割れだぞ。こんくらい・・・嫌でもわかるさ。」

「・・・・・・そういうもん?」

「そうそう。だってさ、お前、ナオと話した時、俯いただろ?あれでわかんない方がおかしいって。」


・・・・・・・・・あれで、わかってしまうのか・・・

さすがというか、何というか。


「ヒカリはさ。話す時は絶対相手の目を見るんだよ。10年前から、変わってない。だから・・・簡単にわかったぜ?」


にっと笑うヒカル。

無邪気な笑みだけど・・・切なげな気がするのは、気のせい?


気のせいだ。

気のせいに決まってる。




―――じゃないと・・・・・


封印した気持ちが、出てきてしまう。


ナオ様への気持ちが、恋なのならば、あの頃の私は――

私の、初恋は―――



10年前のあの時、私は確かに封印したんだ。


あれは、私の初恋なんかじゃない。

そんなわけない。


そんなの、許されるはずがない――――



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