守ってくれますか?
俺の後ろにはクローゼットがあった。

大きな白い綺麗なクローゼット。


その中から・・・・・・・・・・




「なっ・・・・・・」


ヒカルが出てきたんだ。




「よぉ!ナオ。さっきぶり!元気か?」

陽気に笑うヒカル。



「元気だが・・・・・なぜそこから・・・・・」

そもそも、いつから・・・・・


「へ?あ、俺、隠れてたんだよ。そしたらビックリ。国王とレインがお前とシュウ引き連れてやってくるんだもん。」

「最初からいたのか・・・。なんで隠れてたんだ?」

「身を守るため。」

「身を守るため?」

「そう。シオンという凶暴な野獣から身を守るために隠れてたのさ♪」

「シオン?ヒカル、何かしたのか?」

「してない、してない。とばっちり受けたんだよ。しかも、まだ狙ってやがる。」


とばっちり?

とばっちりで普通、狙われるか?



俺の疑問に気付いたらしいヒカルが、真剣に頷いた。


「あのな。ナオ。シオンは今恋してるんだけど、あいつ超オクテだったんだよ。

そんでな?イライラしてドキドキして精神的にしんどくなっちまったわけ。
で、しんどいから、俺に八つ当たり。

酷いだろ?しかも超怖いんだぜ。」


ヒカルは最後にぶるっと身震いした。




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