守ってくれますか?
アンリを脅していたヒカルとは思えない明るさ。朗らかさ。

こいつ、もしかしなくとも、タダ者じゃない?




「みーつっけたぁ♪」

ドアから聞こえたのは、ドスがきいているのに笑みを含んだ、不気味な声。


ヒカルと俺がおそるおそるドアの方を見ると――


黒い笑みを浮かべたシオンが、ドアに寄りかかっていた。


「ひぃぃぃぃっ!!!!」

ヒカルの悲鳴。


「もう、逃がさないからな!覚悟しろっ!私を笑った罪は重いぞ!!!」

シオンがバッと部屋に入ってくる。


ヒカル、結局、笑ってたんじゃないか。

確かにシオンは尋常じゃなく怖いが。





ヒカルとシオンはぎゃあぎゃあと追いかけっこを始めた。

真剣な追いかけっこだ。



そういえば。


シオンの好きな人って、誰なんだ?


俺は、肝心なことを知らないな・・・・・。




この追いかけっこを無視して仕事に戻るか。

それとも――



・・・・・・うん。

少し見てから仕事をしよう。


俺は、近くにあったイスに腰掛けた。



―ナオside end―
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