素敵彼氏の裏の顔




当の淳ちゃんも、あれ以来姿を見せることはなかった。




……いや、一回だけうちに挨拶に来て、



「都会に働きに行く」



なんて言っていた。

まだ青く腫れている頬を撫でながら。






淳ちゃんの言う『都会』は東京に違いない。

だから追いかけるつもりで……

なんてことは、勿論ない。

あたしは既に悟っていたから。

淳ちゃんとあたしは、釣り合わない。

淳ちゃんはあたしの保護者でしかないから、と。



< 11 / 401 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop