素敵彼氏の裏の顔
「なぁ、城内?」
俺のもとへ来た金髪は、肩で息をしながら俺に聞く。
「神木、見なかったか?」
「……いや」
俺は短くそう答えた。
そう答えながら、あいつのことを考えていた。
あいつは変わった。
今は感情豊かで思いやりのある男だ。
そんな男だから……
少しだけ、美優のことを託してもいいのかな。
だけど……
『美優を悲しませたら、ただじゃおかねぇよ』
聞いたばかりの連絡先に、そうメールを送る。
そう送りながら、俺は少し笑っていた。
俺の妹も、そろそろ兄離れの頃かな。