素敵彼氏の裏の顔
そんな橘の前で肩で息をする俺。
みっともない。
こいつの前じゃ、蛇に睨まれたウサギみたいに何も出来なくなってしまう。
やっぱり、こいつは俺の遥か上をいく相手だ。
「おーい、城内!!」
不意に後ろから……橘の見つめている方向から声が聞こえ、俺は思わず振り向く。
その先には、昨日会った金髪がこっちへと走り寄って来ているところで。
ヤバいんじゃないか?
そう橘を見た時には、奴の姿はもうなかった。
「忍者かよ、あいつ」
俺はそうボヤいていた。