素敵彼氏の裏の顔
あぁ……
どこからどう見ても、隼人があの神木だとは到底思えない。
スマートな立ち振る舞い、性格の良さ、清潔感、センス。
高校の頃からこうしていれば、別の意味で有名になったに違いない。
……もっとずっといい意味で。
「一年かけて治した。
それでも時間が足りないくらいだったよ」
隼人は静かに口を開く。
キッチンに立ってあたしに背を向けているせいで、その表情は見えない。
だけど隼人はどこか切なげだった。
「髪型や服装を変えても、内面ってなかなか変わらない」
コポポポとグラスに何かが注がれる音がする。
「すぐかっとなる性格。
悪い言葉遣い。
ダルそうな立ち方。
人相。
全部変えないと、大学でも同じ人生を歩むと思った」