素敵彼氏の裏の顔
その間にも、部屋の隙間から男性陣の話す言葉が漏れてきて、聞きたくなくても耳に入ってしまう。
「あれってやっぱり神木だよなぁ」
「そうだよ!
あやのために何回かうちの学校にも殴り込みに来たじゃん」
胸がずきんと痛む。
「……やばくね?
ライブ来るとか」
「やべぇよ。
乱闘騒ぎとか起こしてほしくねぇよ」
あやちゃんがあたしの隣でため息をついた。
そして、静かな声であたしに話しかける。
「お兄ちゃんさ、いまだに色々誤解されてるけど、本当はいい人なんだよね」
その言葉が何より嬉しい。
「昔から弱いあたしを守ってくれて、ヒーローみたいにかっこ良くって。
あたしにとったら、自慢のお兄ちゃんだよ」