素敵彼氏の裏の顔







隼人の言葉通り、隼人は昼前に迎えに来た。

いつものバイクに乗って、あたしが置いていった荷物を持って。

それまでの間、久しぶりに会った両親と新生活の話をたくさんした。

二人とも一人暮らしのあたしを心配しつつも、応援してくれた。

そして、迎えに来た隼人を見て、恐ろしく興奮していた。





「ごめんね。

お母さん、面食いだから」




笑いながらそう告げると、隼人は複雑そうな顔をしていた。






礼儀正しくてかっこいい隼人の評価は、それはもう高すぎて。

深々と頭を下げるお母さんを後に、あたしは故郷を去った。







久しぶりに会う家族はやっぱり温かかった。

二人を残して東京にいるのは申し訳ない気がした。

だけど、今の新生活も譲れないほど素晴らしいものだと改めて思った。







そんなことで、波瀾万丈の帰省は終わった。




東京までの道のりはあっという間で、隼人の背中にしがみつき、束の間の幸せに酔っていた。

やっぱり、隼人からはもう離れられない。




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