素敵彼氏の裏の顔
ヤクザたちはずかずかとこっちへ近付く。
先輩たちは口をつぐんで彼らを見ていて。
その怯えた視線は、隼人に向けられるそれと同じだった。
「いい加減にしてもらおうか。
……屈するか、手を組むか」
額に大きな傷のある男が、煙草をくわえて火を点ける。
そして、今まで先輩が座っていたソファーにどかっと腰を下ろした。
そして、口元を歪めて淳ちゃんと隼人を見る。
明らかに不穏な空気が流れ、いつの間にかバーの客も消えていた。
「お前らなら特別に、組の……」
彼の低い声を遮ったのは、
「営業妨害です」
隼人の落ち着いた声だった。
狂気が全く感じられず、ただ淡々と言葉を発する隼人。
「迷惑なので、出て行ってもらえます?」
だか、発している言葉は、単刀直入で酷い。