素敵彼氏の裏の顔
そんなとき……
「てめぇら、ようやく見つけた。
ちょこまか逃げやがって」
バーの扉が開き、三人の男が入ってくる。
明らかに人相が悪く、狂気に歪んだ笑顔であたしたちを見ていた。
ヤクザ……
その文字が脳裏に浮かぶ。
隼人はあたしにそんな話をしないけど、隼人と淳ちゃんはヤクザに因縁を付けられているのだった。
ここは淳ちゃんと隼人の職場で、そんなところにヤクザが現れて……
パニックを起こすあたしの横で、
「また変なのが現れた」
困ったように呟く隼人。
相手がヤクザだというのに、この態度。
隼人は肝が座っているどころか、ぶっ飛んでいる。
反対に、淳ちゃんはウッ……と言葉を呑んでいた。
淳ちゃんの方が、まだ危機管理が出来ているのかもしれない。