素敵彼氏の裏の顔
「だけど、不安だな。
あの人が美優の元に戻ったら、美優は俺から離れてしまうのかな、なんて思って」
その言葉は本心なの?
隼斗は、心からそう思ってるの?
何も言えないあたしは、ただ俯いて黙っていた。
淳ちゃんはあたしの元に来るだろう。
だけど、それはあたしのことが好きだからではない。
隼斗……いや、神木にあたしが取られるのが嫌だからだ。
そんなの、切なすぎるよ。
「でもさ、俺も負けないから。
美優を絶対笑顔にしてあげる」
神木なのに……あの、悪名高い神木なのに、
どうして隼斗はそんなに優しいの?
分かっていても、その優しさにすがりつくあたし。
込み上げる涙を我慢して、眉間に皺を寄せていた。
あたしが隼斗の正体を知ってしまったら、隼斗はどうなるのかな。
あたしの前で、悪魔へと変身するのかな。