【完】初めての恋は――。
卒業式も終わり、生徒たちはそれぞれ家へと帰っていく。


今日だけは弘樹とは別行動。弘樹とは、すぐに会えるしね。


私は真美と2人家路についた。


中学生活もこれで終わりだと思うと、なんだか無性に寂しくなった。


校門を出て、2人で校舎を振り返った。




「真美、もう卒業しちゃったよ」


「本当に早かったね」


本当に早かった。


3年なんて、驚くほどあっという間だった。


「部活頑張ったり、亜美は失恋も経験したしね」


「それは言わなくていいから」


少なくとも先輩に恋したことを笑えるくらいにはなっている。


たった一年しか経ってないのに、すごく昔のよう。

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