十二の暦の物語【短編集】
がばっ
お母さんの怒鳴り声にビックリして即行で起き上がった

『ぅあ…暑…』

日当たり抜群の部屋には、もう太陽がガンガン差しててパジャマにしてる真っ青のタンクがダイダイ染めになってる…
汗かきすぎ…

『あー無理。眠い眠い暑い暑い』

無理だ。死ぬ
タオルケットを被りなおして夢の世界へ――

「旅立つな!!!!」
『ぅひゃあ!!!!』

今度は強制的にタオルケットを剥がされた
くるまったまま顔を上げると、体操服を着た弟が居た

「寝てんじゃねぇよ。姉ちゃんが遅刻すると俺も怒られんの!」
『…何で』

起き上がりながら聞くと、エナメルバッグから取り出したスパイクで殴られかけた

『ななな何すんのぉ!!!!スパイクって尖ってるんだぞ!!そんなので殴られたら大好きなお姉ちゃん死んじゃうよ!?』
「うっせぇ!!姉ちゃんが遅刻すると同じ陸部の俺が怒れんの!!「姉も一緒に起こして来い」って」
『はぁー?…いーじゃんそんなの…』
「いーから着替えろ!!!!殴るぞ!!」
『やーん大和(ヤマト)の変態ー』
「さっさとしろッ!!!!」







『いたぁ!!!!』
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